新START条約(Strategic Arms Reduction Treaty)は、2010年に米ロ間で署名された核軍縮条約で、配備される大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、戦略爆撃機を700基以内に、搭載核弾頭を1,550発以内に、配備・非配備ランチャーと爆撃機の合計を800基以内に制限する内容である。条約の有効期限は2021年2月5日までだったが、2021年に5年間延長され、2026年2月5日に満了を迎えた。
ロシアは2025年9月22日に、満了後も少なくとも1年間の制限遵守を提案したが、米国からの正式な返答がない中、条約は失効した。この報告書は、TASS報道に基づく関連ニュースを統合し、ロシアの立場、米国の対応、国際的な懸念、フランスの外交的動きをまとめる。
ロシア外務省(MFA)は、条約満了に伴い、両当事国がもはや義務や対称的な宣言に縛られず、核心規定を含むすべての拘束から解放され、次の行動を自由に選択できるとみなしている。これは、米国がロシアの提案(満了後1年間の制限遵守)に対し、正式な返答を寄せていないためである。
ロシアは米国の沈黙を「誤ったもの」と遗憾に思い、自身の戦略攻撃兵器政策を米国の軍事政策と戦略状況の分析に基づいて決定する方針だ。一方で、責任あるバランスの取れた行動を意図し、条件が整えば戦略的安定のための対等な対話にオープンである。
また、MFAは条約の履行を評価し、明らかな問題があったにもかかわらず、主要機能(戦略兵器競争の抑制、両国兵器庫の大幅削減、長期的予測可能性の確保)を果たしたと述べている。ロシアは米国の行動(ミサイル防衛の不安定化、条約原則違反)により完全履行を一時停止したが、2026年2月まで自主的に定量制限を維持していた。満了後は義務がなくなり、米国の政策分析に基づく責任ある対応を取る。
米国副大統領JD Vanceは、Megyn Kellyとのインタビューで、米国がロシア、中国、その他の国々(友好国や競争国を含む)と協力し、世界の核兵器削減に取り組む意向を表明した。これはNew STARTの文脈で述べられたが、条約の延長提案に対する直接的な返答ではない。
ロシア側は、米国が提案に無応答であることを指摘し、クレムリン補佐官Yury Ushakovは2月4日にワシントンからの返答がないと述べている。トランプ大統領の沈黙は、核軍縮の後退を示す最悪のシグナルとして批判されている。
国際核兵器廃絶キャンペーン(ICAN)のコミュニケーション責任者Alistair Burnettは、米国の沈黙を「失望させるもの」とし、他の核保有国に核軍縮の後退を示唆する最悪のシグナルだと述べた。延長なしの場合、米ロ間の新たな軍拡競争が加速し、核弾頭、運搬システム、核演習の増加を招き、他の核保有国も追従する危険がある。核保有国は軍縮を進めるべき時期に後退していると指摘している。
New STARTの失効は、米ロ間の核軍縮枠組みの崩壊を象徴し、軍拡リスクを高めている。ロシアは責任ある対応を強調しつつ、米国の政策次第で軍事技術的措置を取る用意がある。一方、米国は多国間核削減を意図するが、具体的な返答の欠如が国際的な懸念を招いている。
全体として、核軍縮の後退が新たな軍拡競争を誘発する恐れがあり、外交的解決の必要性が高まっている。将来的には、米ロ中を含む多国間対話が鍵となる可能性がある。